現役霊能者が贈る、開運コラム
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スピリチュアル常識を斬る!第1回
「霊界」「前世」「引き寄せの法則」「アセッション」「インナーチャイルド」etc…。スピリチュアル系の本やサイトで喧伝される様々な知識や定説は、本当に全て正しいのか? SPRに在籍する一流霊能者の先生方が、その真偽について検証、解説します。
突発的な霊障を避ける手段 その常識と非常識【その1】
葬儀の後には粗塩で清める、玄関には盛り塩や魔除けの品を置く、霊に遭ったら般若心経を唱えるなど、私たち一般人が知るお祓いの作法について、除霊や浄霊の第一人者である当SPRの霊能者の先生が、その効果の真偽を語ります。霊感のない一般人が霊障を避けるには、読経やお守りよりも××の方が効く?!目からウロコのお話です。
●素人がプロ(霊能者)の作法を真似ても、霊障は祓えない
真夜中にふと目が覚めると金縛りにかかっていた。
そしていつの間にか枕許には、青白い顔をした女が座っている。
恐怖に駆られるも、叫ぶことも動くこともできない。
思わず目を閉じ、必死でお経を唱えてたら、その耳許に女の笑い声が…
「そんなもの効かないよ」
上記は巷に流布する怪談話の典型パターンのひとつ。皆さんも1度は見聞きしたことがあると思います。実際、素人が霊を追い払うために読経をして効果があるのかと問われれば、この怪談話とは別の意味で首を傾げざるを得ません。
電話鑑定のお客様でも、「霊の祟りや心霊現象を遠ざける、特別なお経、呪文があれば教えて欲しい」とおっしゃる方がたまにいらっしゃいますが、そういう時には「あいにく、素人の方でも簡単に霊が祓えるような、スペシャルなお経というのは存在しません」とお答えすることにしています。
もちろん読経自体に効果がないと言っているわけではなく、むしろ逆です。私はよく自宅の近所にある大きなお寺に出掛け、定時に行われる一般公開の護摩修行を見学するのですが、ご祈祷が始まった途端に空気が張りつめ、その場全体が瞬く間に浄化されていく様に毎回、感嘆します。
つまり、その道のプロ(修行を積んだ徳のある僧侶)が唱える経文であれば、凄まじいほどの浄霊効果を発揮するのです。経文の意味、つまりそこに説かれている宇宙の摂理を正しく理解した上での、正確な律音階(りつおんかい)に基づく唱経(しょうきょう)や声明(しょうみょう)は、それを聞く人間の霊体意識を著しく活性化させます。もちろんそれは生きている人間だけではなく、すでに肉体を失った霊魂意識に対しても同様の影響を及ぼすので、現世に執着し続ける亡者(浮遊霊や地縛霊など)でさえも正しく成仏させることができるというわけです。
また特定の神仏の真言を唱えてご加護をいただく場合も同じで、プロによる詠唱と素人のそれとでは実際の効果に雲泥の差があります。たまに「日本人が唱えるマントラは、正確な古代サンスクリット語(梵語)の発音によるものではないので、術としては効き目がない」というひねくれた意見も聞きますが、決してそんなことはありません。意味を理解した上での真言や陀羅尼(だらに・梵語の発音そのままの経文)は、それが保証するご利益をきちんと術者にもたらしてくれます。
こうした事柄は神職が唱える祝詞(のりと)、陰陽師が用いる特殊呪文、あるいはイタコが唱えるイタコ経文など、あらゆる呪術者と呪文の関係性に共通して言えることで、要は発声法を含めた全ての作法において、その道に熟達した者が術を修さなければ、目的の効果は得られにくいということです。いや、それどころか、時と場合によっては、「生兵法(なまびょうほう)は怪我の元」となる危険性さえも秘めています。
●霊を祓うために九字を切ったら、よけい酷い目に遭った話
私は以前、完全予約の対面鑑定という形で心霊相談を承っていたのですが、当時もたまにそうした事案に出くわすことがありました。皆様の参考としていただくために、その一例をご紹介しておきます。
相談者はその頃40代後半の男性で、建設関連の会社を経営していたMという人物でした。このM氏が同業者の仲介で、中古の上物が建っている状態の住宅用地を購入したところから話は始まりました。
当初、M氏はこの土地を転売しようと考えていたそうなのですが、最寄りの鉄道駅から至近でなおかつ高速道路のインターチェンジも近いという利便性に惹かれ、当初の目的を変更して自社のオフィスを移転する計画を立てたのです。そこでまず残っていた上物を取り壊し、新たな社屋建設のための基礎工事を始めたところ、それとほぼ軌を一にして怪奇現象が起こり始めたというわけです。
怪異のひとつひとつの内容を取り上げるとキリがないので、大まかな出来事の流れだけを記します。
- 取り壊し、および建設作業に携わった人員のうちの複数が、現場で事故を起こして負傷、あるいは原因不明の病気に見舞われて倒れた。
- また建設作業中、「頻繁に謎の人影」が現れて作業を中断させられたという多くの証言あり。その人影については、杖を突いた老人、若い女性、子供など証言内容が一定していないが、いずれもいつの間にか目の前に現れ、煙のように消えたとのこと。
- 結局、建物は予定より1ヶ月以上遅れて竣工し、すぐにオフィスの移転となったが、その後も心霊現象が続き、思い余ったM氏はある高名な霊能者に相談。しかし、「すぐには現地へ行けない」と言われ、とりあえず電話でお祓いの方法をいくつか伝授され、言われた通りに試みた。
この霊能者が急場しのぎに指示した方法というのは、主に神棚の設置や御札の貼り付けなどで、霊の祟りを鎮めるために屋内各所に御神酒や盛り塩も置いたとのことでした。しかし、いざそれらを実行してみても肝腎の効果は現れず、それどころか以前より深刻な状況に陥ってしまったそうです。
ある晩、M氏が1人で残業していると、急に腰から下の部分が金縛りのような状態となり、同時に視界の端に人影が映り込みました。それは顔の部分だけが不自然にぼやけた、不気味な女の姿の霊だったそうです。そこでM氏は霊能者に教えられた通りに九字を切ったのですが、女は消えるどころか動けずにいる彼の背後に回り、その首を強く絞めてきたのです。
翌朝、気を失った状態で社員に発見されたM氏は、最初に依頼した霊能者が当てにならないと悟り、別の知人のツテをたどって私に連絡して来られたというわけです。依頼を受けてさっそく遠隔霊視を行ったところ、彼が購入した土地は明治以降に廃棄された寺院の跡地、しかも墓地があった場所で、いまだに適切な供養がなされていない不浄地であることが判明しました。
直接、ご本人とお会いして詳しいお話を伺った後、「九字を切ったのはまずかったですね」と申し上げると、きょとんとした表情を浮かべておられました。
●陰陽道や修験道系のお祓いは、霊に対する挑戦状のようなもの
九字切りというのは、陰陽道(道教)に端を発する呪術で、とくに危急の際に破邪を祓う護身術のひとつです。具体的には、「臨(りん)・兵(びょう)・闘(とう)・者(しゃ)・皆(かい)・陣(じん)・列(れつ)・在(ざい)・前(ぜん)」という九字の掛け声とともに、目の前で横5本、縦4本に渡って順に直線を切り、その際には右手は刀身、左手は鞘の形を作り、そのうち右手でこれを行うとされています。時代劇ドラマなどで出撃前の忍者がこの術を修するシーンが登場するので、ご存知の方も多いかもしれません。
たとえ陰陽道に通じていない者であっても、裂帛の気合いとともにこれを行えば、邪霊邪神の類いはたちまち退散するとされ、実際にそれなりの効果がある術なのですが、その一方で霊を追い払うことはできても、それを浄化、消滅させるには至らないという問題点も有しています。
とくに祓われる霊の側からすると、先手必勝とばかりにいきなり卑怯な不意打ちを受けるようなもので、場合によってはかえってその怒りを買い、攻撃性を助長するような事態を招きます。つまり、霊を完全に消滅、または成仏させる実力を持つ術者以外、本来は使いこなすことができない護身法なのです。
M氏の話に戻ると、彼は幼い頃から空手を習うなど武術の嗜みがありました。さらに自ら会社を興して経営しているくらいですから、元から気合いのパワーは十分に有していた人です。それが下手に九字を切ってしまったために、ひとつの術として成立してしまい、自ら女の霊に斬りかかるような形になってしまったというわけです。向こうにすれば生きている人間からいきなり挑戦状を叩きつけられた形ですから、自己防衛のためにも当然、応戦します。
この九字切りに限らず、陰陽道や修験道系のお祓いには攻撃一辺倒の術が多いので、使うには細心の注意が必要となります。前段の読経と同様、これもまた素人には使いこなせません。